葬式のマナー

数あるマナーの中で何が難しいって、葬儀の時の振る舞いほど難しいものはないな・・・とつくづく感じています。


高級フレンチや和食でのマナーなんて、そんな店に行かなければ必要もないわけですし、結婚式のスピーチやら結納の口上なんていうのもあらゆる人が必ず経験するのものではありません。ところが、葬儀や通夜の席にでることはほとんどの方が避けては通れない儀式の一つなわけです。



自慢したくもありませんが、なんのめぐりあわせか、私、喪主の経験がすでに何回かあって、様々な方の様々なお悔やみのご挨拶を受けています。すると立ち振る舞いの姿がよくて、心に響くご挨拶をされる方の印象と言うのは深く心にのこるもので、ヒンシュクものですが「お見事!」と思った事が何度もあります。


通夜の席で居並ぶ親戚一同が見守る中、オズオズしないで喪主の前まで進んで正座をし正しく礼をして、ご遺体の前で見苦しくない作法でご焼香まで済ませ、喪主にお悔やみの言葉を述べながら故人の思い出話などをお話する。親族へもご挨拶をして、ヘコヘコしないで退出する。。。。できますか?さらに葬儀のときはどうでしょう?


どぎまぎしないで堂々と振舞える事が難しい事はもちろん、逆に手馴れすぎてしまうのはかえって見栄えがよくありません。お悔やみの言葉となるとさらに難しく思えます。



とはいっても、見習うべきお手本を様々見ているにもかかわらず、いざ自分がお悔やみの席に立ったときといったら、緊張でお手本はぶっ飛び、ドギマギ、ウロウロしてしまって自己嫌悪に陥るのは毎度の事。結局こういうのは素養と言うか素性の問題で、諦めにも似た気持になるのであります。