そら豆

季節感は市場の品揃えだけではなくて、板前の素養の部分にかかわってくる時代になってしまっています。「○○の旬はいつであるか?」知識として知らなければなんでもありになりがちです。


先日もTV情報番組で「春先の枝豆が東京の高級料亭に行く」などと言っていました。15年前であれば「走り」とか「超走り」などといってもてはやされた旬を先取りした品物も、今では旬を知らない仕業になってしまいます。ホントに東京の高級料亭では春に高いだけの枝豆を使っているのでしょうか?


そら豆もうっかりしているとすでに一月から手に入ります。鹿児島産あたりから始まって、今やっと武生産や岐阜産のものが入り始めて、もうすぐ地物になります。以前でしたら5月に入ればそろそろそら豆も使おうか・・・・と思ったのですが、今は地物になるまで我慢です。塩茹でして皮を剥き、上質なパルメジャーノ・レッジャーノで和えてみましょうか。イタリアでは出盛りに生でかじると聞いたことがあるのですが、生も試してみましょうか。どうなんだろう?


今の献立ではそら豆のほかに、花豆を薄甘く焚いてデザートに使い、ウスイ豆を裏ごししてすり流しに使い、白インゲンをやんばる島豚の脂身と炊いてお弁当に使い・・・と4種類の豆が使われています。お豆の美味しさ、もうちょっと突き詰めて見たい感じです。