お客様の目線

歯医者さんで診察中、目の前にはまぶしいライトが光っています。他のところはそれなりに掃除がいきどいているのですが、ライトのガラスが汚れています。診察する先生や衛生士さんからは頭上にあるので気が付かないのですね。まさか治療する本人が診察台に乗って患者の目でライトを見ることなどありませんから。


同じようなことは料理店でもよくあります。掃除は完璧にしたつもりでも、スタッフや私がお客様と同じ場所にゆっくり座って見渡すことは心がけないとなかなかできません。スタッフの目からみれば埃のないエアコンも、ちょっと目線が下がると埃がたまっていたりします。天井の隅のほうの汚れがお客様の座椅子からでないと見えないこともあります。私の側からは気にならなくても、カウンター席から見ると目障りな空き瓶が見えたりしていることもあります。働く側からは気が付かないこともお客様の側からは気になることもたくさんあるのです。


お客様の前に出たときに、目線がどうも私の胸元当たりに・・・・気がつくと、醤油のしみが知らぬ間についていて見苦しいこともあります。真っ白な白衣もサービス料の内と思うと、料理人としては常に気にとめていなければいけないことです。


掃除をし終えたら、お客様と同じ目線に座ってみる。結構大事な作業です。