”Shall we Dance?”

周防正行監督の『Shallweダンス?』のハリウッド・リメーク作品。つい一昨日あたりにTVでも周防作品の方をオンエアーしていて、断片だけ見てもオリジナルは丁寧に丁寧に人物描写を重ねることでそれぞれの人々の心持を上手に描いていました。


ハリウッド版はオリジナルと比較しなければ、それはそれなりに上手にできた作品ではあるのですが、さまざまなシーンでオリジナルへの尊敬を表すかのように全くコピーしたかのようなショットが出てきます。しかし、それぞれのシーンはやっぱり、気弱で仕事や家庭に少々の疲れを感じている中年サラリーマンとその周辺のの悲哀を物語るためのシーンであって、日本とは立場が違うとはいえ、弁護士で、姿がよく、アメリカ人なりの押し出しの強さと世間的には成功者と言える主人公と、キャリアのある妻を表すたために必要なシーンではない場合もあるような気がします。そして、ダンスが楽しいものであるという表現も、アメリカの肉感的で愛情表現の一部であるかのようなダンスと、コンペティティイブで身体を動かし達成感を楽しむ日本のダンス、特に特殊な目で見られがちなソーシャル・ダンス(ボールルーム・ダンスと言わなければいけないのでしょうか?)とは決定的に違います。


というわけで、十分楽しめたとはいえ、オリジナル周防作品の素晴らしさを改めて実感するために見てしまったような気がします。早く次回作を作らないかな、周防正行監督