豚汁

店のある肴町通りは、月に一回住民、テント総出の通り掃除があります。デッキたわしでブロック舗装をゴシゴシやり、ガムやポイ捨てタバコなどを取り除き街全体をきれいにするのです。おかげで街並みはリニューアルしてから9年経つ今でも美しく保たれています。


掃除が終わるとジュース類の飲み物、アイスクリーム、果物などご褒美が分けられます。寒さが厳しい今月のそれは熱々の「豚汁」です。作るのは私。うるさ型の老舗や飲食店が軒を連ねていますから半端な仕事では笑われてしまいます。


農家谷野さんの畑からとってきた源助大根、赤蕪、ミラノ蕪、おでん大根、西都青首大根、牛蒡、蓮根、京都産京人参、こんにゃく、蓮根、牛蒡、赤葱。豚はやんばる島豚のばら肉を四時間蒸したものなどなどすべての食材を同じさいころ状に切りそろえ、食感が同じようになるように時間差で茹でていきます。味噌は同じ町内、糀屋ケンちゃんの処の味噌と三河吟醸桜味噌、京都西京味噌ブレンド。添える小さなオニギリは近隣農家乗松精二さんのつくる夢心地米に自家製の牛肉の佃煮を鋳込みます。


と、凝りに凝って・・・・というのではなくて、調理場にある材料をあれこれ使っていったらたまたまこうなったという豚汁にオニギリです。寒空の朝、外でワイワイしながら大鍋に煮た物を食べれば、どんな食べ物だって美味しく感じられます。「ちょっと違う豚汁」などと解説することは野暮になってしまいます。


まっ、不味かぁなかったとは思うのですが。厳しいからなぁ、皆。