えこひいき その3

「えこひいき」のお話を書いていて何人かの方から、「えこひいきは時としてかえってお客の側のストレスになることがある。放っておいてもらったほうが嬉しい時もあります」というお話をしていただきました。


「ハッ」とする一言です。


私の店などは日常的にフラッと寄っていただく店ではありません。とっておきのひと時を楽しんでいただくための努力をしようとすると、かえってそれがお客様の心に負担になることがあることもあります。


重々承知しているつもりでも場を見誤まることがあるかもしれません。お客様の個々によってサービスはすべて違う・・・・というのは、私たちのような小さな店では基本中の基本ではあるのですが、一番の難しさでもあります。


先日のこと、娘といってもいいほどの若い女性に「親方のお客との距離感のとり方ががいい」と褒められてしまいました。ご一緒の年長者の方に「生意気雲じゃないのぉ」とたしなめれていましたが、どんな若い方に言われてもとても嬉しいものです。この微妙なお客様との間合いというのがサービスにとってとても大事なことなのですが、匙加減というのは教えて伝わるものではありません。時間をかけ、場数を踏んで学んでいくもののです。これが、私自信がお客の立場になったときに、案外役に立っているのかもしれません。


いずれにしても、えこひいきだけをとってもすべてのお客様によって心地よさの加減が違うというは大きな教訓の一つです。