癒される心

昨日の深夜、「さて寝ようか」という時に、BSで「槙原敬之のコンサートライブ」をやっているのが目にとまりました。槙原敬之、好きでも嫌いでもないとくに興味のないミュージシャンです。録画までしようというJ-POPミュージシャンはあまりいません。


コンサートは多分武道館。寄せ集めのフルオーケストラと音大学生の大合唱団、レギュラーと見えるバックミュージシャン達。これなら十数人の弦と数人の管楽器、3-4人のコーラスグループでも充分賄える音作りだよなぁ・・・・などとつまらないことを考えつつも、レギュラー・ミュージシャン達は趣味のいい音をしているものですから何気なくそのまま見ていました。


度々カメラがパンする客席を見ると、もちろん会場は20代から30代前半の若い男女で埋め尽くされています。気が付くと特別なことがないとだれも立ち上がりません。踊りもしません。私でも知っている有名な曲やノリのいい曲になるとかなりの観客が立ち上がって手拍子を打つのですが、それさえもロックコンサートの熱狂とは程遠い感じなのです。


私、全く勘違いしていました。近頃のJ-POPというのは皆、コンサートが始まると同時に全員が立ち上がり、跳ね上がり、同じ振りで躍るもの・・・・とばかり思っていました。が、槙原敬之のコンサートに集まる男女は極めて落ち着きがあって、メディアで取り上げそうな突飛おうしもない若者ではない、街のどこにでもいる恥じらいのある若者達であったのです。若者のいくコンサートにもそんなのが当たり前にあるのですね。ジャズ系、クラシック系のコンサートしかしらない私の大きな間違いでした。


が、しかし、その槙原敬之コンサートの集まっている若者の顔を見ると、熱狂ではなくても高揚した気分が手にとるようにわかるほど、皆生き生きと満足げです。そういう若者のそういうコンサートもあるのだということを始めて知りました。ひどい認識不足です。


さらに、ステージ上にたくさんいるオーケストラ、合唱団メンバーも曲が進むにしたがってノリがよくなりニコニコと気分が良さそうなことも見て取れます。たとえ無意味に大勢いてたとしても、演奏する側のたくさんのニコニコは会場の雰囲気をさらによくしているようです。


映像で会場のたくさんの幸せを見ていると、音楽まで生き生きと感じさせてくれるようになってきて、結局最後まで見終わってしました。若い人たちに支持されている音楽にもこんな形があるのだとやっと知ったというのは、オヤジ度がかなり高いと言うことなのでしょうね。情けない。