やりたい楽器

映画「スウィング・ガールズ」を見て「私も楽器、やってみよう」と思われた方はきっと多いはず。


あの映画の素晴らしさは、「ヘタクソでも音楽は楽しい」ってのを実現しているところです。昔、私達が音楽をはじめた頃には「上手くなくては音楽は楽しくない」であったのでした。スポーツといっしょです。ヘタッピーはミソカッスであったのです。


「スウィング・ガールズ」に限らず、誰もが何かに影響を受けて「そうだ、楽器をやってみよう」と思うのは人生のうち一度や二度ではないと思います。かく言う私も、ランパルを聴いてフルートを習いたくなり、「明日にかける橋」を聴いてピアノの弾き語りがしたくなり、長谷川きよしの「別れのサンバ」でギターを弾きたくなり、「ヘイ・ジュード」で再びピアノを弾きたくなり、ソニア・ローザ、バーデン・パウエルボサノヴァ・ギターを弾きたくなり、スティービー・ワンダーの「アルフィー」でハーモニカをやりたくなり、熱が冷めた頃トゥース・シールマンで再びハーモニカをやりたくなり・・・・などなどなどあげたらきりがありません。


さすがにピアノが習いたいから「ピアノ買ってくれ」とは親にはいえませんでしたが、実際クロマチック・ハーモニカは買ってしまったし、ギターは某メーカーに当時勤めていた友人に頼んで、楽器倉庫から格安で売れ残りを譲ってもらったりしたものです(後で聞くと製作者のサインが有名な方のようで冷汗モノでした)


で、
やっぱりお決まりの挫折、あっさりの挫折の数々。憧れのミュージシャンのようにすぐに弾けるわきゃないってことは重々承知しているのですが、頭の中のイメージはステージ上の自分だったりするのが破廉恥です。


イメージだけの憧れでなく取り組んだ楽器は、中学高校のブラスバンドのトランペット。6年毎日取り組んでも結局モノにはなりませんでした。まっ、一応吹ける水準でも「ラッパが吹けます」と人様には口が裂けても言えません。もう一つは大学時代のジャズ・ベース。こちらは4年でも一日平均4-5時間の練習。多い日は8時間は楽器に触っていたおかげで「素人が騙せる水準」くらいには達したものの所詮は素人のお遊びです。


そのくらいの練習量で初めてモノになりそうになることは経験上よくわかっているのに、やっぱり今でもいい音楽を聴くと楽器をはじめたくなるというのは因果な性分です。


ホントかどうかわかりませんが、”毎年百五十万人が「何か楽器を始めよう」と思って、そのうちの8割が「笑われるから」と始める前に諦め、めげずに始めた人の9割が実際に「笑われ」ている”という笑い話のようなお話を聞いて、私も間違いなく”笑われている”一人であると確信しているのです。


ある方からのお話で調べものをしていると、ヤマハには楽器のレンタル・リースのシステムがあるのだそうです。今なら三日坊主でも新しい楽器を始められます。笑われことを恐れずに、チャレンジしてみましょう。


やっぱり音楽することは楽しい、間違いなく楽しいのですから。