芋焼酎「百合」

東京よりブームが2-3年後にやってくるこの地では、芋焼酎の肌で感じるブームは今がピークのような気がします。


新らし物好き、流行モノ好きだけでなく、猫も杓子も「焼酎」 ちょっと通好みは「芋焼酎」なのです。


だれも見向きもしなかった私のところの焼酎の品揃えもやっと売れるようになったとはいえ、未だに私自信が芋焼酎の本当の美味しさに開眼しているとはとてもいえません。


試行錯誤はご多分に漏れず流行りモノから・・・・森伊蔵、村尾、伊佐美、佐藤、宝山をはじめ、桜井13年古酒、がらるっど5年樫樽熟成、たなばた古酒、田倉、亀五郎、純黒、海、限定妻、天使の誘惑・・・・などなどとこの8年くらいで揃えてみたものの、未だ胸を張って「これしかありません」と胸を張れる品物と100%は言えません。所詮お客様もブームで賑やかなだけですから、固定した味の好みとまではいかないのも実情です。


が、
もしかすると決め技一本になるかもしれない、という焼酎は意外なところから教えてもらいました。


先日結婚式で再会した従兄弟は、血の繋がりがあるとはいっても産まれてからまだ数回しか会っていません。10年年下のこの彼は、北関東で同じような飲食業に携わっていました。宴席の中、話をすると、かなりの焼酎通であることがわかりました。様々な蔵のお話を聞くだけで、見識の高さは明らかにわかります。灯台下暗しとはこのことです。


その彼が絶対のお奨めというのが、鹿児島県甑島の「百合」でした。未知の芋焼酎です。蔵の連絡先を教えてもらいお話を聞くと、本当に家族だけで造る小さな蔵、しかも原料となる芋も輸入に頼らず島で栽培される白さつま芋だけを使っているのだとか。電話で伝わる人柄の素朴さと真面目さが期待を高めます。


蔵から教えてもらった近隣の酒屋さんは以前から一度お伺いしようと思っていたところでした。


で、
試飲してみた「百合」、押し付けがましくない芋の香り、しっかりした味の手ごたえ、切れ味、確かに美味しい。


この地のお客様に支持していただけるかどうかはこれからの課題ですが、もしかすると芋焼酎の外せないラインアップになるかもしれません。