タクシー運転手さん

今日で何回目かのご来店をいただくお客様は、東京に本店を持つ某大企業の支店長さんです。


数ヶ月前、一見でお見えいただいたときには予約もなくフリーでした。私ン処ではフリーのお客様がお得意様になっていくケースはあまり多くはありません。フリーの方はそういう店の使い方が好きな方が多くて、「予約」が面倒だったり苦手だったりする方ですから、予約中心の私ン処のような店は裏を返してくださいません。


ところがそのお客様はフリーの一見以降はいつも早めの予約をしてくださるようになっていました。今日、お帰りのときの立ち話で、「最初のときはねぇ、タクシーの運転手さんに教えてもらったんですよぉ。”接待で使えるようなイイ店はないか?”ってね。それでここに横付けしてくれたの」


見ず知らずのタクシーの運転手さんが紹介してくださった・・・・ありがたいことです。


ラーメン屋さんや定食屋さんの美味い店は運転手に聞け、と言ったりしますが、少なくとも私ン処はタクシーの運転手さんがフラッと寄ってくれるようなところではありませんし、もちろんリベートやバックマージンを収めているわけでもありません。


察するに、乗せたお客様の評判を評価してくださったのではないか・・・・と。


考えてみると、食事を終えてタクシーに乗ったとき、店の帰り際にどれほど「美味しかったよぉ」と店にお世辞を言ったお客様も、タクシーの中の友人通しの会話では本音が出ます。「今の○○、ありゃダメだね」「評判ほどじゃなかったねぇ」と会話しているか、「いやーーー、ほんとに美味しかったねぇ」「いい店だねぇ」と言っているか。運転手さんはまさしくウソ偽りのない本音を運転しながら聞いているのです。


冷や汗が出ます。


さらに、よくあることですが、店の女将や主人がタクシー運転手さんに横柄な態度をとっていたりする処では印象はがた落ちです。私なんぞ、外から店までタクシーに乗るときは運転手さんには敬語で話しますし、少々の心付けも忘れないようにします。(当たり前か)


一度地元のタクシー運転手さんの覆面座談会料理屋編なんて聞いてみたいモンです。2チャンネルより数倍真実味があって、数十倍面白いこと請け合いです。怖いけど。