講習会

年一回はずっと承っている調理師学校の講習を昨日やってきました。


もう何年になるのでしょう?十年は過ぎているはずなのですが、忘れてしまっています。


最初は板前風情が「先生」などと呼ばれるのがちょっとばかりこそばゆいような嬉しさもあってイソイソと出かけていたのですが、長年続けることで、店にとってのある意味ステータスでもあると思うようにもなっています。この地に数多くいる板前の中で講師として選んでくださるということは、それなりの評価でもあるわけでありがたさがいっぱいです。


生徒である調理師の卵にとっても「弁いち」という店があるのだ、ということは講義の内容によってはしっかり頭に刻まれるわけで、それも大きな意味があります。できうれば、「あんな店で修行してみたい」と思ってくれれば講師としては冥利に尽きるのですが、講義終了後「弟子にしてください!」すぐに名乗り出た若者は未だいません。私の力のなさゆえです。


講義を担当するのは2年コースの一年生。就職までは1年半もあります。一年後には「弁いち」などという名前も忘れてしまって、待遇のいい、休みの多い店に進路を決定してしまうのでしょう。何年経っても若者があこがれるような店になる講義ができないのは、なにより私が板前としての魅力に欠けるからでしょうねぇ。TV番組なんかに度々現れて、「笑いのつかみ」もしっかり取れる・・・・やっぱり絶対無理。