スウィング・ガールズ

日本映画(最近のアニメ以外で)を見に映画館へ出かけることはほとんどありません。前回は確か周防監督の”SHALL WE DANCE”


「ウオーター・ボーイズ」には興味がなくても「スウィング・ガールズ」は別です。フルバンドの楽しさを描いているとなれば見ないわけにはいきません。


休日の月曜日だけあって、映画館は満席。普段の月曜日は半分埋まっていると「今日は混んでるなぁ」と思うほど、私の見る映画は一般的には人気の薄い映画が多いのです。しかも観客のほとんどが普段は同じ映画会場では見かけない十代〜二十代前半の若者です。スィングすることの楽しさを本当に知っているオジサンこそ見るべき映画なのに。


映画としてのできはさておき、若い女優陣のハツラツさが素晴らしい。そして、音楽的に未熟でも、ジャズのスィング感の中に身をおいて演奏することの楽しさが実によく表されています。吹き替えなしのヘタクソ演奏がこれほど説得力をもって表現された映画は世界中探してもありません。それだけでこの映画の存在する価値があります。


そう、フルバンドジャズほど演奏して楽しい音楽はないのです。自分たちが演奏してスィングすることの素晴らしさは、ヴァーチュオーソたちの演奏を聞いてスィングすることの100倍ゾクゾクします。中でも十数人のメンバーが大音響で一体となってノリノリになれるフルバンドの醍醐味はその中に身をおいたものだけが知っています。


映画を見て、「ジャズやるべぇ」と思ってくれる若者が一人でも多くでてくれたら素晴らしい。映画の中のセリフ「ジャズってオヤジの音楽」「インテリぶったオヤジがブランデーかなんか飲みながら・・・って音楽」から、昔のように若者の音楽になったらファンとしては嬉しいことこの上ありません。


昨日のBS-HIでみた「東京JAZZ」 ハービー・ハンコックウェイン・ショーター、デイブ・ホランドの息をのむほど緊張感のあるアバンギャルドなスリル感もジャズ、ヨタヨタ高校生のご機嫌なスィングも同じジャズ。両方に感動できるのが素晴らしいのです。