”ディープ・ブルー”

波がこれほど多様な表情を持っていることさえ初めて知りました。


海の生き物の壮絶な営み、宇宙を思わせるような深海生物の神秘と神々しいほどの美しさとグロテスク。


すべての映像がこれまで見たどんな海の絵よりも繊細緻密にして恐ろしいほどの迫力で迫ってきます。


映像とはなんと素晴らしい可能性を秘めているのでしょう。


TVならこの映画のワンシーンだけで一時間番組を作り、どれほど大変な撮影であったかというメイキングでさらにもう一つ一時間番組を作ってもおかしくないほどの映像の連続です。


今の映画では、迫力とか大量とかを現すのにCGが当たり前になっているのに対して、気が遠くなるほど丹念に時間をかけて撮り続け編集した映像がほれほど説得力があるのか改めて感じます。


見ていても日記に書いていない映画が山ほどあるのですが、この90分の映像については表現力の豊かさを持ち合わせていればいつまでも語っていたいほどの感動を与えてくれました。ただ100の言葉よりも10秒の映像がどれほど力を持っているかもこの映画が教えてくれているのです。


文句なく2004年前半のベストワン。