浪乃音

「浪乃音」滋賀県大津市堅田のお酒です。


いただいたのは第百回能登杜氏自醸酒清酒品評会 優秀賞受賞酒。受賞したのと同じタンクのお酒です。


一年に何本もの新しい蔵のお酒を試飲する機会があるのですが、香りを嗅ぎ、一口含んだだけで脳髄に響くような印象を受けるお酒というのは3本あるかないか。


これほど優しいお酒をこれまで経験したことがありません。淡麗で辛いお酒は切れ味だけで面白みに欠け、芳醇で旨味をたっぷり含んだお酒は時として飲み飽きしてしまう可能性があります。が、両方のバランスを穏やかな優しさが包み込んで、「ほーーー」とため息をついてしまいそうにな味に仕上がっています。


蔵はわずか300石。20代後半から30代前半の兄弟三人だけで造られています。能登杜氏品評会受賞酒に大きく書かれている「金井泰一流」とあるように、兄弟三人は能登杜氏金井泰一氏に7年間厳しく鍛えられ平成14年からは兄弟だけで造りを始めたのだそうです。受賞酒は恩師たる金井泰一氏に敬意を表することを大書してあるのです。


若い兄弟が作ったお酒は能登杜氏の名人達、開運の波瀬正吉さん、天狗舞の中三郎さんなどを抑えての優秀賞受賞という快挙だそうで、どれほど誇らしいことか、悦びようが目に見えるようです。


若い力が次代への道を切り開くようなお酒に出会えました。