親孝行


「親方、私の自慢の息子たちはどうです」


ほろ酔いになられたお父様が私に心底嬉しそうに言いました。


定年退職を迎えられたお父様と支えられたお母様のお疲れ様会を、仕事で東京と大阪で暮らす息子さん夫妻が開かれました。


小さなお孫さんも交えた賑やかな宴は、家族が一緒にいるだけで幸せなのを感じさせてくれます。


「こんなこと最初で最後ですから」と恥ずかしそうにおっしゃる息子さんたち、「自慢の息子達」と胸を張るお父様、目に入れても痛くないほどということばピッタリでお孫さんを放そうとしないお母様。


息子自慢も孫自慢もちっとも嫌味に聞こえない・・・というよりむしろかなりほほえましく思えるのは、親から子、子から孫へと三世代がちゃんと真っ当に家族を形成されているからでしょう。


お祝いをしてくれるお子さんたちに感謝の気持ちはいっぱいなのでしょうが、なにより子供たち孫たちが健康で幸せに生活してくれていることなのだなぁ・・・・ということが理解できる年齢にいつの間にか私もなっていました。


家族が家族でいられることことの幸せ、拉致被害者家族の帰国を見ながら改めて考えさせられます。