やっかみ


「同業者にやっかまれるようになったら一人前だ。聞いてるよ、いろいろ」


尊敬する先輩に言われたことがあります。


「耳に入っているいろいろ」が、やっかみなのか?的確な批判なのか?・・・・多分後者なのでしょうが、傷つけまいと優しい先輩が言葉を選んでくれたのでしょうね。悪口をそのまま伝えずに「評価」に変えてしまうのはさすがに私が一目も二目もおく方です。


同業者言う悪口は案外耳に入らないもので、どなたがどのように言っているのかはわかりませんし、知りたくもありません。私など、同じような値段帯でいい仕事をされている方を見ると、やっかむ以前にひれ伏してしまうほうですのでよく心持はわかりません。


私の批判的な言葉も、マーケッティング志向の強い儲けるためだの仕事には向けがちですが、個人が一生懸命やっていらっしゃるお仕事にはあまり向けたくない気がします。たとえ批判的な言葉を言ったとしても、相手は連れ合いかよっぽど親しい友人にだけのつもりです。


店で聞くお客様の他店の悪口も「へーーー、そういうもんですかぁ」という程度収めておきたいものです。妙に同調してしまうと噂すずめはどこでどうささやくかわかりません。


批判のつもりではないちょっとした一言でも、噂に尾ひれがついて伝わることはよくあります。


そんなつもりじゃないのに・・・・という言い訳はすればするほど深みにはまってしまいます。


実力が均衡する方だと「やっかみ」というのもありえるのでしょうが、私などいい仕事をされる職人さんは能力に憧れることはあっても「やっかみ」にはなりえそうもないなさけないヤツです。