”COLD MOUNTAIN” ”IN THE CUT” ”ABOUT SCHUMIDT”


”COLD MOUNTAIN” ”ABOUT SCHUMIDT” ”IN THE CUT” などという映画をこの2〜3週間の間に劇場、DVDで見ました。


”COLD MOUNTAIN”(コールド マウンテン)


淡い恋を抱いた二人が南北戦争出征のために離れ離れにならなくてはならない。膠着した戦線は泥沼化し、ピータースバーグの激戦で瀕死の重症を負ったインマン(J.ロウ)は、収容先の病院を抜け出して一路遥か故郷コールド・マウンテンへと歩き始める。この脱走が見つかれば、その場で銃殺されるか最前線へ送り返されるかという時代、別れ際の一度の口づけと、百通以上も送りながら届いたのはたった三通の手紙(早く帰ってきてという)のために、厳しい脱走兵狩りの合間を縫って長い長い道のりを歩き続ける。苦難お末に再会を果たした二人は・・・・・


映画公式サイトのストーリー解説みたいになってしまいましたが、ストーリーを簡潔に説明するってのは難しいもんですねぇ。


「イングリッシュ ペイシェント」のアンソニー・ミゲラ監督。ニコール・キッドマンジュード・ロウ主演、アカデミー助演女優賞をとったレニー・ゼルウィガー、中盤を引き締めているナタリー・ポートマン、一人一人の役者がかなり素敵です。


レニー・ゼルウィガーは「エイジェント」でトム・クルーズと競演したときに始めてみて、すでに「顔だけでも演技できる」俳優の印象をもったのですが、今回も上手すぎるほど上手い。「すぎる」のが少し鼻につくことを思うと、存在感ではナタリー・ポートマンが忘れられません。


しかし、一度の口づけと三通の手紙・・・・かぁ。愛する思いというはそういうもんなんですねぇ。頻繁にやり取りする携帯mailとの密度の違いはなんなんでしょう。


俳優の演技という点では”ABOUT SCHUMIDT” のジャック・ニコルソンは圧倒的です。最初のワンシーンの表情だけでで、今定年を迎えようとしてる男性、しかもたいした仕事は残していない・・・・という事実を見事に表現してしまっています。それもアメリカ人らしい「ハッピー・リタイヤメント」ではなくて、「さて老後はどうしよう」という日本でもよくありそうな定年まで予感できます。


アクの強い役をそれぞれに演じ分ける「超個性派俳優」は、市井のしがない普通の老人も普通以上に演じられるのです。


その点、”IN THE CUT”のメグ・ライアンはロマンティック・コメディ路線からの脱却を考えた渾身の一作であることはわかるのですが、私には痛々しさとモヤモヤが残る文藝作品のようなサスペンスのような・・・・しゃっきりしない映画でした。同じジェーン・カンピオン監督の「ピアノ・レッスン」でも女性の心理が理解できない「わからんちん」ですから仕方ありません。