学校


「半年間で”文集”出版」
「”ちょっといい話”書けます」
「日記を書くよりおもしろい」


スポーツ新聞に掲載されていた「エッセイ通信講座」の謳い文句です。


なんとも胡散臭い感じ。


日本人はホントに習うことが好きです。新しく何かを始めようというとき学校に入らなければ物事が始まらない・・・・という方ががたくさんいます。


私など問題にならないほど素晴らしい日記サイトを運営する方が、小説を書くためにプロの教えを請っているという例も身近にあって、それはもうスポーツ新聞掲載の「エッセイ講座」とはレベルの違うお話ではあるのですが、秀逸なエッセイを読んだとき、「私も書きたい」という欲求に駆られる気持ちは確かによくわかります。


それでも文章を通信講座で習おうというのがなんとも勉強好きですごいモンです。


料理の世界でも、今調理場のスタッフはほとんどが調理師学校出身です。調理師学校を卒業すれば調理師免許は得られますし、有名料理店への就職活動も比較的楽にできるというメリットはあるのですが、学校を出なければ調理場で仕事ができないわけではありません。


経験的に言えば、調理師学校で勉強する一ヶ月間は現場の五日間で身につく仕事です。


学校を出ていなくても「親方のところで勉強させてください」と直接頼み込んでくる意欲のある若者がいれば、情にほだされやすい私などすぐに雇います。


調理師学校の講師もやっていますし、ずいぶんとよくしてもらっていますので大きなこと言えないのですが、学校よりは現場、現場でモノになってナンボの世界であることは間違いありません。修行といっても私たちの頃と違ってしっかり給料をもらって勉強できるのだから・・・・というのは経営側の言い分ではありますが。


学校へ行くより現場の丁稚から・・・・というのが私の持論です。