給食

clementia2004-02-10



中学の学校給食を食べる会があってイソイソと出かけてきました。


献立はこんな風


「昔に比べると学校給食は美味しくなった」と言われ、事実子供たちが言うにも「学校給食が嫌いではない」と聞いていて、私たちの悲惨な給食の思い出と比べてどれほど進歩しているのかと、興味深々だったのですが、劇的といえるほどではないかもしれませんがなるほど悪くはありません。


献立は、野菜と鶏の卵とじ 白菜漬け 白玉ぜんざい 苺 牛乳


野菜は人参 筍 ジャガイモ 絹さや こんにゃく 食中毒を注意してなのでしょうが、気の毒なほど玉子にはしっかり火が入っています。野菜は生のまま使ってはいけないとかで、白菜も一度蒸してから塩昆布であえてあります。


一ヶ月の献立は市内の中学が会議で決めるようで、全市一律、200人弱の料理を二人で作っておられました。献立が同じで、素材もそれほど差異をつけることができなければ、料理人の技術の差を劇的につけることはできないでしょうが、野菜はカッターなどを使わずに包丁できちんと切っているとか、ぜんざいの小豆は朝から煮込んでちゃんと作っているとか、作る方の気遣いはちゃんと料理に現れる部分もあるようです。


いずれにしても、あの脱脂粉乳と、献立に関係なくいつでもパンを食べさせたれていた私の時代に比べれば、ご飯と一食たべられるだけでも案外食べられる給食ではあります。


我々料理屋の場合は、一回一回、一皿一皿が勝負です。不味ければお客様はすぐにいなくなってしまいます。学校給食の場合即食べる人がいなくなってしまうことはないとはいっても、食べる人の反応が率直に返ってこないというデメリットもあります。「美味しかったよ」の一言が意欲に変わるのとは逆に辛さもあるのでしょうね。
 
集団給食というのは食中毒への配慮や栄養第一主義、抑えられる原価などから、学校でも病院でもある一線を越えられなくてどこか同じ雰囲気になってしまうのは仕方のないことのでしょう。同じ献立同じ原価で私が作っても多分同じような味のもができそうです。


給食の味を激変させるには、まずお役所的制約をすべて取っ払うところから始めなければ無里なような気がします。