天丼を作らない訳


丼モノが好きだから・・・・という理由で始めたお手頃サービスランチでは、深川丼とか、やんばる島豚のとろとろ角煮丼とか、オーソドックスなカツ丼とか、いい鮪が入ったときだけの鉄火丼とか、フランスバルバリー鴨と北海道軟白葱の鴨葱丼とか、季節限定のいくら丼、やっぱり季節限定の白魚玉〆丼・・・・などなどとやってきたのですが、「天丼はやらないの?」と聞かれることがあります。


お惣菜などではよく天丼は作ります。よく料理本に載っている天丼のタレがどれも納得できる味でなくて、名店といわれる天麩羅屋さんのレシピにはいつも気をつけていました。ああたら、こうたらやっているうちにそれなりのタレが出来上がってったのですが、シンプルな天麩羅を揚げるという作業はどうやっても専門職の天麩羅屋さんにはかないません。


天麩羅をあげたものにタレをからませるだけの天丼は、やっぱり天麩羅を上手に揚げることが決め手です。


もちろん和食のプロフェッショナルですからそれなりの天麩羅を上げる技術は身につけているつもりでも、毎日その仕事だけに心身をを傾けている方々にはかないません。


近所には「天錦」さんとか「美松」さんなどという元気のある天麩羅の専門店があって、ランチの天丼の美味しさも格別です。


「あっちのほうが美味しい」と自分で判っている以上お客様に出すわけにはいきません・・・よね。


カツ丼なら揚げるという作業ではやっぱり近所の「幸楽」さんや「とん兵衛」さんにかなわなくても、最後の煮るという作業では和食屋がほんのちょっと有利です。


勝負にならない仕事はやっぱり避けて通るのが得策かと。。。。


というより負けず嫌いなだけ?