歳のとり方


人間最後は金よりも名誉なのかぁ、と納得してしまう最近の藤井道路公団総裁の解任顛末と、中曽根議員の議席への固執です。


「俺のことを尊敬しろ」
「俺のやってきた仕事を評価せよ」
「心血を注いできた仕事をどうしてありがたがらない」


そう言われてもねぇ。。。。


国民の税金を湯水のように使い、族議員たちの間を取り持って作り続けた道路と、靖国公式参拝憲法9条改正の生理的にいけすかない元首相なわけで。。。。不遜とか傲慢という言葉がついて回るのです。


それに対して、昨日のTV「人間ドキュメント」で取り上げられた、話題の讃岐うどんを作り続けるおばあちゃんは名誉とも地位ともお金とも無縁なお年寄りでした。


「私のうどんが一番だ」
「私の積み上げてきた仕事を正しく評価せよ」
などとは微塵も思っていません。


ご主人と打ってきたうどんを無休でひたすら作り続け、ブームのために休日には行列ができるというのに、店舗展開はもちろん、ロイヤリティを売ることも、店を新しくして集客を増やすことさえ考えていません。それどころか平日に売れ残ったうどんを最後に自転車で売り歩くというのです。


そうやって身を粉にして働いて、子供二人を育てるのがやっと精一杯でした・・・と語るのを聞くと、自分が生意気に「生業(なりわい)」などと主張していたのが恥ずかしくなります。これこそが生業(なりわい)なのですね。


儲けるためでも、尊敬されるためでもない生活するためにぎりぎりの仕事を、汗水流して続けて年齢を積み重ねた方が、結局のところ皆から正しく愛される姿には、前述の二人とは恐ろしく違う真っ当な人生があります。