ネイティブに歌う


ピエール・バルー中村善郎さんがTVで競演していました。


中村さんはデビューアルバムの「リテラリオ」を持っているだけで、発売当時「日本にこんな風にボサノバを歌える人材が出てきたんだぁ」と驚いたものでした。


その後特に追いかけることなく過ぎてしまっていたのですが、昨日聞いた中村さんのパフォーマンスで歌声の素晴らしさ、ギターテクニックの安定感、リズムの重厚感、ライブでまざまざとその実力を見せつけられました。


「ブラジルに渡った頃僕は普通の若者で、ブラジルが僕に音楽を教えてくれた」とポルトガル語で歌うのを聞いていると、彼の紡ぎだす音楽の根幹が見えます。


ブラジルを放浪して出会い学んだ音楽は借り物ではありません。


黒人みたいに歌ったり、付け焼刃の英語で格好だけをそれらしく取り繕って歌う流行歌手とは決定的に違うのです。


言葉だけでなくリズム感とギターを聞くと、サンバやボサノバを身体で知っているのだなぁと思います。


外国の音楽をその地の言葉でちゃんと表現できる数少ないミュージシャンがそこにいることを改めて認識しました。


さかのぼって彼の音楽をを聞いてみなくてはいけません。