”美味い”って言い過ぎ


「美味い」って言い過ぎです。


というのは私の料理へのお客様の反応のことではありません。


近頃のTVのグルメ番組のお店紹介とか、料理人が出演するタイプの番組などで、芸能人が料理を食べたときの反応です。


そりゃ、TVのことだから、芸能人のことだから・・・・とはわかっていますし、昔からそんなものではあるのですが、この頃のそれは特に過剰に思えるほど「美味い」と褒めすぎです。


素材と料理を見ればどれほどの味であるか、どれほどの技量のある料理人くらいかは判断できます。


その皿でその褒め言葉はウソになる、とかその料理人への絶賛はお客様をだますのと同じだ。


などなど、気がついてみたらこのところのTVや雑誌は尋常ではありません。


実際の店ではお客様はおいそれと「美味い」を連発してくれません。


「まっ、そこそこ」「案外いけるじゃん」程度でもいいほうです。たっぷりの自信作でも認めてもらえないことも多いのです。お客様はほんとに厳しいのです。


料理人本人だってTV、雑誌では持ち上げすぎです。


そりゃ自分に厳しい立派な方もいらっしゃいますが、たかが板前風情です。厳しい修行を経たといっても、世の中で活躍なさっていらっしゃる方が苦労なさって地位を築いているのは当たり前のことです。


料理人を特別なことができる人みたいに勘違いさせないほうがいいのです。ただでさえ単純なのですからすぐ頭に乗りますよ。


私自身は褒められて伸びるタイプ、「豚もおだてりゃ・・・」タイプではあるのですが。。。。