予約


個人的にある適度以上の予算の料理店に行くときには、必ず予約の電話をするようにしています。


予約が必要な店でなくても電話をすることに変わりはありません。こちらの名前、人数、メンバー構成、必要であれば料理の指定、ワインなどの飲み物のお願い、使う目的(誕生祝だったり、久しぶりの集まりだったり)などなど、知らせるべき情報はすべてお知らせします。


逆の立場になれば、自分の店でもそいういう情報が欲しいと思うからです。お客様の情報がある場合と、フラッと見えて「席空いてる?」「美味しいものだけ頂戴」と予約なしで見える場合ではサービスの内容も料理の内容も当然違ってしまします。


お得意さまであればなおさらです。1-2週間前にお見えになったお客様が予告なしで再び見えれば同じ献立になってしまう可能性があります。予約の時点でメンバーがわかっていれば料理の内容は必ず変えるのが当たり前です。お酒の出し方も器も、できればお軸も。


そのためにも一本の電話とできる限りの情報は必要なのです。ご自分がいい思いをするために必要なのです。


会社関係の接待の場合、まれにですが、個人名で予約をされたり、会社の名前や構成のメンバーを教えてくださらない方がいらっしゃいます。


個人名で電話をおかけになっても雰囲気で「接待」とわかるものです。メンバーをおっしゃらない場合でも「差し支えなければご接待先のお客様はどちら様かお教え願いますか?」とこちらか電話でお伺いします。


中にはそれでも「ちょっと内密だから」とお伺いできないこともあります。お見えになればわかることですのに。


私にしてみると当日までわからないことのほうが怖いのです。内密だからこそ、部屋を離さなくてはいけないこともありますし、場合によっては予約電話の時点で「○○関係のお席を先に承っておりますが。。。よろしいでしょうか?」申し上げなくてはいけないこともあるのです。そこで一席の予約が取れないことよりも、「そういうことに気を使う店なのだ」と信用をいただくことのほうが大事なのです。


予約の電話と言うのは席を確保するためだけのものではないのですね。