ドゥデ・ノダン


シャルム・シャンベルタン1967 


ドゥデ・ノダンというフランス、ブルゴーニュ地方サヴィニーレ・ボーヌにあるネゴシアンが造ったワインです。


お得意様がお持ちになったこのワインをご相伴させていただきました。


36年という熟成を経て色はオレンジ色からレンガ色に変化しています。香りも長い熟成を感じさせる湿った枯葉のような香りなのに、いざ口に含むと爆発的に広がる濃厚なベリー香が脳天を突き抜けます。まるで干した杏のように凝縮した味です。長期の熟成を経た赤ワインにこれほどの濃密な黒いベリーの味を感じたのは初めてです。グラスの中で時間とともに葡萄の甘露はさらに増殖し、ヴィンテージ・ポルトでも混ぜてあるんじゃないか?・・・・と思うほどの味に変化します。


これは今まで味わったどのシャンベルタン村のワインとも違います。ラトリシエールともルショットともクロドベーズとももちろんシャルムとも。


これだからブルゴーニュワインは止められません。


普通、ブルゴーニュワインは5〜7年の熟成で飲み頃に達し、グランクリュ(特級畑)でも10年で飲めるようになると言われます。事実、私がいただいた特別な造り手のものでも15年経てば熟成はピークに達っしていました。


ただ、ドゥデ・ノダンは特異な造り手と言われています。以前に80年代のビック・ヴィンテージ1985年のサヴィニーレ・ボーヌを飲んでも「?。1985でこんなもん?なんか美味しくない」という印象でした。15年くらいではこの造り手のワインは本領を発揮しないのです。70年代でやっと、60年代くらいが飲み頃という異常ともいえるワインなのです。


その本領を始めて知りました。凄すぎますドゥデ・ノダン。


これでもネゴシアン(葡萄を契約農家から買い取って造ったワイン)、ごくごく少量造られる自家栽培ワイン(ドメーニュ)はほとんどが直接スイスの富豪の所へいくのだそうです。


ネゴシアン・ワインがこれだけ美味しければ、ドメーニュものはどうなるのだろう??恐るべし。