オタク


小林信彦さんの「名人 志ん生、そして志ん朝」を読んでいると、こんなお話が出ていました。

古今亭志ん朝が東京で独演会をあまりやらないのはお客が固定してしまうからだと、噂できいた。志ん朝さんの場合<志ん朝おたく>のような人たちがいて、独演会を占領してしまう。それだけならまだしも、僕が感想文の一つも書こうもんなら、全部見ていない(聞いていない)おまえが志ん朝を云々するのはけしからん。といったオドカシお手紙がきたりする。


ここ数年、名古屋で志ん朝さんが独演会をつづけているのは賢明である。東京でも大阪でもなく、名古屋で三夜連続というのがいい。


、観客がちがう>。善男男女。心から落語を楽しむ人たちだけである。


これが新宿あたりだと、似合いもしない和服を着た若者、ノートをとるおたく、などみかける。
(抜粋)


うーーーん、一度も生で志ん朝さんを聞く機会がなかったわけですが、わかるような風景であります。