オムニバス


音楽好きには理解しにくいのですが、TVなどでヒットした曲を集めたオムニバス盤、”Fine”のようなCDが結構売れているのだそうです。CD屋さんに山積みになっていました。


聞けばだれもが思い出す80年代のヒット曲を中心にしているそうで、BGMに最適と、そのあたりに馴染みのない若者が買っていくのですね。


私など、オムニバスなど自分で編集して作るのが楽しいものだと思っていて、これは休日の朝用、これは夜のお酒用、これは彼女との下心満載のドライブ用(昔の話です)・・・・なんて、あっちのLPこっちのCDと棚から引っ張り出しながらニヤニヤして録音していました。


この"Fine”のようなアルバムは聞き込むために買うものはありませんから、「おっ、この演奏者は誰だ?」とCDの中から新しい発見をして、アルバムまでのめり込むような視聴者はほとんどいないのだそうです。


大体、名曲の入っているアルバムというのは、アルバム自体が優れいてることも多いもので、いいとこ取りで一曲だけではもったいないと思うのです。この手のアルバムは知らなかったミュージシャンにのめり込むきっかけに最適と思っている私とはギャップがあります。


こいういう偏屈な音楽聞きには、ベストアルバムというのも、演奏者本人がプロデュースしたもの以外は自分では買いたいとは思わないわけで、編集の仕方や、曲の集め方で、レコード会社の思惑までかんぐってしまうヤナやつなのです。(もちろんいいものもあるんですが)


音楽にそんな思い入れのある方が少なくなっている以上、店舗のBGMなども趣味のいい店のコンセプトにぴったりと思える音楽が流れていると、思わず「○○ですか?いい感じですね」などと店のご主人に言ってしまったりするのですが、「有線です」とすげなく言い放たれることがよくあります。


とりあえずなんとなく流れていればいいって訳です。私のほうがおかしいんです。よくわかっています。


先日ちょっと覗いた近所のガラス器屋さんにケニー・ランキンがかかっていました。この店は私など知らないステキなケルト・ミュージックなどかけているいい店ですから、「ケニー・ランキンなんで珍しいですね」と声をかけてみました。するとランキンを紹介したのは、よく知っているやはり近所の店のご主人だとか。長い付き合いなのに隠れたランキンファンが近所にいたとは知りませんでした。


というわけで、発売されていたのを知らなかった、ランキンの新譜にも気がついて、


KENNY RANKIN ”A SONG FOR YOU”


発売されるアルバムは四の五の言わずに全部聞いておきたいミュージシャン、パット・メセニーキース・ジャレットの新譜


PAT METHENY ”ONE QUIET NIGHT”
KIETH JARRETT TRIO ”UP FOR IT”


などを聞いています。


取り留めのないお話でした。


衣替えを向かえ、玄関の暖簾は麻に、室内の暖簾も淡い色の涼しげなものに、座布団も夏用に変えました。気分が変わります。