真っ当な


まだmailだけのお付き合いながら、いつも気持ちのこもったお話をしていただくネットお得意様から楽しい(悲痛な?)mailを頂戴しました。

今日こそは、この叫びを板前様に聞いてもらうんです。お願いします。聞いていてね。


『ふつーのおいしいのを食べさせてぇ!!』


あたしは胡麻豆腐が大好きなのです!
たまに和食やさんに行って頼むときはね、味わったことのある最高の胡麻豆腐のさらにもっと今日は美味しいかもなんて期待をもって、いわゆる『胡麻豆腐』っていうものを要求しているだけなのです!!!


いくら高級店だからって、
いくらご当地ものだからって、
ウニやイクラをのっけないでってば!!!!


おいしいものはおいしさの真っ向勝負するとき、そんなにバージョンがあるとはおもえないのです。


ウフッ


っと笑ってはいけません。わかります、わかります、このお気持ち。


ここにも真っ当な食べ手がいらっしゃいました。


国内産の白ゴマをちゃんと煎り、油が出るまですり鉢でちゃんとすり、利尻昆布でとった昆布出汁と本葛をちゃんと使い、滑らかな舌ざわりになるようにちゃんと布で漉し、弱火にかけて約一時間ちゃんと練りこんだ胡麻豆腐を作ったら、私なら(あくまで私ならです)それだけで勝負したいです。


こういう食べ手がいらっしゃるのですから。


職人は高い値段のとれるしごとができる以上に、真っ当な仕事に対する真摯な思いが大事なのですね、きっと。