言われて気がつく違い


地元の若者向けタウン誌がランチの取材をしてくださいました。


「普段は行けない高級店にランチで行く」みたいなくくりで取り上げてくださるそうです。


同じ昨日お見えいただいた、「弁いちランチ丼考」なるものを書いてくださっているこの方とお話し、タウン誌の編集者さんともお話していて、「あっ、そういえばそうだな」と気づいた私ン処のランチの特徴。


「ランチなのに最初は気軽に入れない」
夜も含めて、気軽に入る店を目指した店構えではないので仕方ありません。最初のハードルを越えていただくと心地よいと思うのですが。


「日替わりランチはよくあるが、季節の変化で献立が変わるランチは多くはない」
日替わりで美味しいものを次々作る才能がないだけです。季節で献立が変わるのは私的には当たり前。気の利いたフレンチなどではやられています。


「ランチなのに作家の器を使っているらしい」
唯一丼だけは割ってもいいような雑器をランチ用に購入したのですが、急須も含め夜のお座敷と区別しても仕方ない。


「お客様によってご飯の盛具合を調整しているらしい」
注文された方の男女の別、年齢を調理場へ伝えること、これも私的には当たり前。


「ランチなのに漬物なども含め素材がいちいち特定されているらしい」「ランチなのにサービスがそれなりに落ち着いている」(私が言ったのではありません。くれぐれも)「ランチなのにお見送りをしている」
などというお話は、すべて夜のお座敷でのスタンスをそのままランチでも実行しているだけで、考えてみれば私にはそれしかできないというのが正直なお話です。ランチだからといって素材の品質を落としたり、粗雑な立ち振る舞い・・・・というのが居心地が悪いのですね、きっと。そうしようと思ってしているのではなくて、私ン処で当たり前のことを当たり前に真っ当にしているのですが、お話をしていて「そういいえばそれが違いか」と気づいたりすることも多いのです。


しかし、この程度のことは上質な料理屋さん、フレンチ、イタリアン、ホテルあたりではこれも当たり前にされていることでした。自慢げにお話しすること自体恥ずかしいかも。編集者さんとカメラマンさんがお上手におだてるものだから調子に乗ってしまいました(反省)