市場


中央卸売市場への入場許可証の取り消しに行ってきました。


つまり、市場へ気軽に出入りできないということです。


普通に考えると、仕入れ=市場と思われがちですが、仕入れのために市場へ行かなくなってもう8年くらいが経ちます。


それまで何十年も出かけていたのですが、店を新しくして、やっとほとんどの献立を自分の意思でコントロールできるようになってからは、市場へ行く必要がなくなってしまったのです。


欲しいものがない、値段が安くても大量消費に対応するものが多て私の店にはそぐわない、全体の食材に対する意識が低いなどなど、個人商店の方がはるかに私の店にあった食材を揃えているのです。


加えて、流通経路充実によって宅配便で全国から食材が自由に少量でも入る時代にもなってきています。


そしてなにより市場に活気がなくなってしまっていたことが、でかけなくなった一番の大きな理由です。出かけても元気がもらえなくなってしまっていたのです。


手続きをする間に古株の事務員さんが「弁いちさん商売やめちゃうの?」と聞いてきました。


今のご時世そんなお店もたくさんあるのでしょう。


まさか、「市場に元気がないから・・・」とは言えなくて、「やめない、やめない。でも、ま、いろいろとね」とお茶を濁すことしかできませんでした。


市場へ行けば間違いなく最上のものが手に入る、という時代が戻ってきたらまた通う日々が戻ってくるかもしれません。