1%のお客様


昨日玄関に、ランチのことで・・・・とご質問のお客様がお見えになりました。


「この炊き込みご飯¥1000って炊き込みご飯のほかに何がつくんですか?」


「はい、季節のお野菜の焚き合わせと赤だしがつきます」


「えっ?それだけ??」


きっとこのお客様の感覚では、1000円ランチならあれもこれも・・・・とたくさんの品数が並ぶのが普通なのでしょうね。


考えてみたら、牛丼が200円台で食べられる時代に、1000円以上の丼がぞろぞろ並ぶなど掟破りかもしれません。


白魚を卵とじにした丼が1200円なんてもってのほか、どこにその価値があるのか、と言われても不思議ではありません。(私にするとかなりの出血サービスなのですが)


よく拝見する市内のランチ情報を交換するある掲示板では、1000円以上をランチで使うのはかなりの贅沢という暗黙の認識があるようです。(サラリーマン・ランチでなくても)


食べ物に関する金銭感覚というのは千差万別です。何をどう美味しいかと思う以上に、何のどの値段が正当か、というのにも越えられない壁があるのが事実です。


夜のコース料理はこの近郊の人口の1%の方だけを相手にする・・・・くらいのつもりでいたのですが、ランチでも5%くらいが目安になりそうです。95%の方はおいでいただけなくても仕方ありません。


普通の混合米に、外国産冷凍の白魚、どこのスーパーにも売っている三つ葉、普通の卵、お手軽な薄めのおだしでとった赤だし、パック詰めの漬物、挽きたてでない缶入りの粉山椒・・・・で作れば白魚の玉〆丼は500円くらいでできるのでしょうが、それはどなたかにやっていただきましょう。


すねているわけでも、世の中を嘆いているわけでもありません。それはそれ、これはこれ、と、ちゃんと見つめて、自分がいいな思う仕事を続けていくだけなのですね。