水割り


ウィスキーのことは本当によくわかりません。たまにその奥深さを垣間見るととても足を踏み入れられなくなります。もっとも、店で扱うお酒の多くは食中酒として飲んでいただくお酒ですから、仕事的にはウィスキーを極める必要もないのですが。


で、
昨日久しぶりに「水割り」の注文をいただきました。不得意分野とはいえちゃんとしたものをおだしできなくてはいけません。


近所の力のあるバーテンダーさんに教えていただきながら選んだ水割用のウィスキーは、カナディアン・クラブ20年、お水はハイランド・スプリング。


これで作った水割りは、自分でも「水割りってのはカクテルなんだぁ」と初めて思うほど美味しいものです。


15―20年程前、日本料理店でもウィスキーのボトルキープが当たり前でした。カウンターのある日本料理店に、キープされたボトルがずらっと並んでいる姿を見て「いいなぁぁ」などと思うような時代もあったのです。企業の偉い方々などは、とりあえずのビールの後ウィースキーの水割りは当たり前のコースでした。お酒を料理に合わせて選ぶなど思いもよらない頃です。


「水割り」と頼んだお客様にも「おっ?・・・・美味いじゃん」と思っていただきたくて選んだお酒ではあるのですが、概して昔の名残なのか「水割り」と注文されるお客様は、「水割りであればいい」方が多いのもの事実です。(昨日のお客様は十分楽しんでいただきましたが)


弁いちでは水割りも美味しい・・・・と思っていただくように地道に続けていくべきか、日本料理店で水割りなんて・・・・・と思っていただくように頑な姿勢を貫くべきか、どっちがいいんでしょう。


とりあえずはいつものように軟弱な道を。