見なければよかった

ミミズのほうがまだまし、と言われるほどの悪筆なのに筆記具が好きです。


書くときのうっとりするほどの書き心地に魅せられて、マイスターシュテック146のペンとボールペンや161、スーベレーン800みたいなまったく分不相応なペンを使っています。


興味がない方から見れば、「100円のボールペンとどこが違うのさ」ということになるのですが、道楽なのですから仕方ありません。


マイスターシュテックもスーベレーンも実にドイツ的で、機能をとことん追及し、書きやすさ故の機能美を持っています。だから好き、と言ってもいいのですが、あるペン屋さんで正反対のこんなやつを見てしまいました。


なんて美しいんでしょう。


美女に魅せたれたようにじっと見入っていました。


イタリアはいけない。


イタリアは悪魔だ。


見なければよかった。


美女は私にとっていつも高嶺の花ですが、これはお金さえあれば・・・・・


ずっと機能にほれてドイツやアメリカのペンを使っていたのに、ラテンの職人のすごさは機能などふっ飛ばしてしまう官能美を具現化していることです。


以前に見たヴィスコンティの超ど級のペンなどは、「どうひっくり返っても庶民が持つものではないのだよ」、というオーラを発していたのですが、デルタ ドルチェビータは「あなたには使わせてあげる」と言っています。


ああ、どうしよう。


ラテンの官能にはまってはいけない。


どうしよう。


見なければよかた。