半落ち


読んでいない名作、北杜夫「楡家の人々」と、子供の先を越されていた恩田陸「像の耳鳴り」を読み始めて幸せにひたっていたところなのに、昨年度のあらゆるベストテンに顔を出し、上位に食い込んでいる横山秀夫の「半落ち」が気になって、ぱらっとめくり始めたらこれが止まりません。


のっけからグイグイ引きこまれて、あっと気がついたら半分まで読んでいました。

直木賞横山秀夫さんの『半落ち』(講談社)が受賞にいちばん近いという。ただしその才能に選考委員が嫉妬しなければという」


などという噂話が充分にうなずけます。


ラスト10ページで劇的な展開が・・・・・というのですから、読み進めながらその劇的展開をあれこれ予想する楽しさもあって、半分しか読んでいなくても、私の本年度ベストテン(時代遅れ)に間違いなく入る秀作であるのは決定です。読み終えてしまうのが惜しい。


昨日の休みを利用して、お世話になっているお百姓さん谷野さんの畑へ行ってきました。


店で使う源助大根を始めとして黄蕪、ルタバカ、アリタリ、ミラノ大根などなど抜きたていただきました。現地で野菜のお話を伺い、作物をなっているところを見てみるというのは、やっぱり料理人としては大事なことで、今年は休日を使って足しげく通ってみたいと思っています。


持ち帰ったイタリアン・ブロッコリーとアンチョビのパスタ、ルタバカとミラノ大根を生のままスライスしてオリーブオイルとレモン、塩胡椒でサラダの昼食。とれたばかりの野菜の自然な甘味が感じられるご馳走でした。


土のついた採れたて野菜を使うこと・・・・・理想形にさらに近づきたい。