本〜ナツメロ


正月の連休はまとまって本が読める数少ない休みですので、心ばかりがはやり、さて、何を読もうかと迷います。


文芸評論家福田和也さんの「作家の値打ち」などというガイドブックは、「俺の好きな作家がひどくけなされている」と怒りにページをめくれないという友人もいるのですが、私のように読書量が少なくて名作と言われるものを知らない人間には便利です。


まだ読んでいない作家の最上の一冊をしる手がかりにはなりますので、手帳に書き付けては文庫本のコーナーを探します。そうしてみると、「第三の新人」当時の名作、吉行とか安岡とか北杜夫とかといった作家でさえ、呼んでいない作品が多いことに気が付きます。全く貧弱な読書量です。


さらに、立ち読みで「2002年このミステリーがすごい」とか「本の雑誌 2002年ベスト10」とかを見てもすでに読んでいる作品と言うのはほとんどなくて、これから一年遅れの名作巡りになりそうです。


大体、活字中毒気味とか言いながら、話題作をほとんど知らなかったり、名作を全く読んでいないというのは基本的にまだ本好きを名乗るにはおこがましい段階であるということで、日記にもあまり読んだ本のことを多く語らなくて正解だったな・・・・などと胸をなでおろしています。


一昨夜はカーペンターズ、昨夜はサイモン&ガーファンクルの特集をTVでやっていました。私の世代には欠かせない名作の数々を生んだミュージシャン達ですが、当時の私にはほとんど興味のない音楽でありました。


昨夜のサイモン&ガーファンクル 1981年セントラールパーク・コンサートを見ても、「ああ、この曲知ってる知ってる」とは思うものの、目はやっぱり後のバックミュージシャン達にいっていて、「おっ、クラディー・テイトだ」「スティーブ・ガットも、リチャード・ティもアンソニー・ジャクソンもいる」とそんなことにばかり感心しているのでありました。


なんだかねぇ。


1981年の丁度一年前、エルトン・ジョンのセントラールパーク・コンサートはたまたまニューヨークで見ることができました。そのときは確か40万人とか。遠くのほうに豆粒のようなエルトン・ジョンが見えて、今のように大スクリーンがあるわけでもなく、音も鮮明には聞こえなくて、ただ、マリファナの匂いだけが鼻についた覚えがあります。


昔のお話です。