干しぶどう
カウンター席でお得意様とお話していたときのこと、
「アメリカのレストランでね、食後に枝つきの干しぶどうをちぎってくれて、ブランデーに漬けて、まずブランデーを飲み、そのブランデーの中でふやけた干しぶどうをアイスクリームにかけて食べさせてくれたのよぉ。ムチャクチャ高かったけど、美味しかったわよぉ」と
そういえば、達磨正宗さんへお伺いしたときに、日本酒の古酒と干しぶどうの相性のよさに驚いたことがありました。ブランデーの代わりに達磨正宗15年古酒や、今手元にある昭和54年純米甘口果実香でも十分美味しいはずです。アイスクリームと古酒の面白さは以前に「苺のジュレにヨーグルトのソルベ」の時にふりかけたときにも実証済みです。
干しぶどうは枝付きがより美味しいであろうと、食材屋に尋ねてみました。
「あれ?枝付き干しぶどう・・・・○○さんでお客様に出していましたよ」
○○さんは3-4年前新規に開店した小洒落れた小さな居酒屋さんです。場所も中心部から離れ恵まれていないのに、開店当初からこの干しぶどうや熟成のしっかりしたチーズのルートをしっかり見つけ、地道に提供していたというのは大したものです。
彼とは開店前からのお付き合いがあって、真面目で誠実な人柄はよく知っていました。開店直前にも「お酒や食材のことだったら何でも相談に乗るよ」などといっていた自分が恥ずかしい。逆に私が教えていただかなくてはいけません。
ワインバーでもフレンチレストランでもない店でも志を高く持っている若い人がたくさんいるのですね。
彼のさらに上をいく提供の仕方をしなくちゃ。