clementia2002-09-09



秋になると蟹が美味しくなってきます。


9月になってもまだ暑さは続いていますが、笹蟹にいいものが手に入りました。


そのまま茹でただけ、蒸しただけをむしゃぼるのが美味しいとおっしゃるかもしれませんが、私ン処でそのままご自身で沈黙しながらむしゃぼっていただくは、ドウマン蟹とズワイ蟹の上質なものくらい、笹蟹は仕事をします。


蟹を生きたまま殻をむき、中からワタと子を取りだし、白板昆布で昆布締めにします。本体は酒を振って20分ほど蒸して身を丁寧に取り出します。(これが手間・・・・当たり前ですが)


胡瓜の千六本を中心にして蟹を錦糸玉子で巻き、さらに海苔で巻いて小口に切ります。


肝は裏ごしして松前酢(昆布ベースの三杯酢)でのばして、蟹の海苔巻につけて召し上がっていただきます。


一口で食べる蟹ですが、手間はしっかりかけて・・・・。


ほぐした蟹の身のパックも売っていますし、蟹ミソだって瓶詰めを売ってはいるのですが、蟹のしっとり感とか蟹ミソの上品さは手をかけたものにはかないません。


蟹の身を若い者とほぐしながら、「こういう手間をかけてることを感じてくださるお客様は少ないかもしれないけど、チャント仕事しなくちゃね」と半分自分に言い聞かせるように話したりしているのです。