大音量


家族に言わせると、私はどうも難聴の気があるのではというのですが、TVの音にしても、カーステレオにしてもヴィデオにしても、お気に入りの音楽や映画は大きな音で細部まで聴かないことは罪だと思うほど大きな音で聞くことが好きです。


確かに学生時代、小さな密室で16人編成のフルバンドの練習をしたり、狭い下宿ではスピーカーを存分に鳴らせずにヘッドフォンを最大音量にして聞きつづけていたことは事実です。


音楽を聴くのにピアニッシモの繊細な音もフォルテッシモの大音量も、オーディオで聞く場合にはパワーアンプをフル活用してあげなくては魂のこもった音を再現することは出来ません。いいスピーカーとアンプの出力を上げて聴くピアニッシモというのはそれはもう背筋がぞくぞくするようなもんなのです。


家で映画を見る時も、TVのちんまりした音でなくスピーカーできちっと鳴らしてあげれば、製作者の緻密な音つくりに感嘆するものです。


ところが、音楽はとりあえずきれいな音が鳴っていればいい、映画は筋が追えればいいという家族とでは悲しいことに音量の認識が違ってきてしまいます。そして多勢に無勢。


おかげで、家族が皆で出かけている時でないと、普通の感覚からすれば少々高額なお気に入りのスピーカーもアンプも力を発揮してくれません。


で、
昨夜は待望のその日。撮りためておいてあった音楽ヴィデオからスタン・ゲッツのドイツライブ。


夏の夜にスタン・ゲッツはいいです。ぴったりです。


と言うわけで、夏の夜にお奨めのスタン・ゲッツのアルバム。超有名な「ゲッツ〜ジルベルト イパネマの娘」そして「スウィート・レイン」なんぞ手に入れて聞いてみてはいかがでしょう。


もちろん暑苦しくたって、両方とも大音量で聴かなくてはいけません。でないと、アストラット、ジョアンのはかない歌声は説得力を持ちませんし、ロン・カーターチック・コリア〜グラディ・テイトのドライブ感は感じられません。


美しい音は正しい音量で聞きましょう。(ただの自己正当化)