無名から有名へ


無名だったワインが一躍脚光を浴び、シンデレラワインと呼ばれることがあります。


古くはペトリュス、ルパン、そしてヴァランドロー。


そういうった世界中のワインラバーの垂涎の的になるワインだけでなく、自分が注目していた無名のワインがメディアに取り上げられたりするとワクワクします。


すでにブルゴーニュの白ワイン好きの必須アイテムになっているジャン・マリー・ギュファンのワインは、十年前から私ン処のメインの白としてずっと使っていたのですが、雑誌「料理王国」に取り上げられたり、ワイン評論家タンザー氏の高い評価が、自分が発掘したと勘違いしそうになるほど嬉しかったものです。


同じ日の日記書いたアント・アルノーが造るムルソーも、その後ワインの専門雑誌として名高い「ワイナート」の表紙を飾り、宝石のようなコシュ・デリやコント・ラフォンのムルソーと同等に取り上げられて、存在を教えてくださった酒屋さんと電話で喜び合いました。


で、
マコン革命を起こしたジャン・マリー・ギュファンに続くと一年半前に評価していたヴァレットが同じ雑誌「ワイナート」にジャン・マリーギュファンスと並んで取り上げられました。


ヴァレットを買い貯めた後、パリの三ツ星レストラン「タイユバン」のヴェナリさんもヴァレットを早くから使っていると知って「俺も捨てたもんじゃないな」ご満悦だったのですが、今回の「ワイナート」に記事で確信に変わりました。


ヴァレットのプイイ・フュッセ クロ・デ・ムッシュ・ノリー1997は最上の評価を得ていて、さらにたくさん仕入れてあるプイイ・フュッセ クロ・レシエ1998も同様です。


今、セラーには最初に手に入れたクロ・デ・ムッシュ・ノリーの1996が一本だけ残っています。


名前も知らなかったヴァレットのこのプイイ・フュッセ クロ・デ・ムッシュ・ノリー 1996は普通のフュッセの倍の値段で、お手軽ワインの代名詞であるフュッセなのに驚くほど手をかけて造ってあります。しかも、当時入荷量があまりに少なくて3本しか分けていただけなかったものです。


一本は自分の試飲用、一本は某有名ホテルのソムリエさんに店で飲んでいただきました。


最後の一本をもう3〜4年熟成させて飲んだらプイイ・フュッセのイメージは吹き飛ぶことになるでしょう。


やっと、ワインリストの中で異常に高い値段に見えるヴァレットのプイイ・フュッセの価値がわかっていただける時代が来るかもしれません。


嬉しい。