飲み物のリスト


私ン処では飲み物のリストというのを一応用意してありますので、一見のお客様は例外なく「さて、何を飲もうか」とご覧になります。


ビール6種類
焼酎約20種類
日本酒30―40種類
ワイン40―50種類


特に日本酒の場合、リストを見て選んでいただくというよりは、ご自身で選ぶのを諦めていただくためのリスト・・・・といったら怒られるでしょうか。


できることなら予算とお好みをお伺いして、選ばせていただくための引導を渡すリストのようなものです。


日本酒のラインアップ(サイトのリストは更新が遅れています。スミマセン)は普段から興味をもって酒屋を探し回る方でなければ、読み解くことはできないと思います。たとえ蔵の名前をご存知でも、そのボトル自体を飲んだことがある方はたくさんはいらっしゃらないだろうというような稀少なお酒が半数をしめています。もちろん稀少だからいいのではなくて、採算ベースに乗らないようないいお酒だから生産量が少なくて稀少であるケースが多いのですが。さらに、ラインアップは刻々と変わっていますので、リストの書き換えが追いつかないのが現状という情けない状況も輪をかけています。


そんなわけで、二度目以上の方にはほとんど、「親方にまかせるわ」とおっしゃっていただけます。任せたほうが、新しく入ったお酒やリストに載らないような少量入荷のお酒が出てくる可能性があるとご理解いただけるようです。


それでも中には自分で選ばなければ承知が悪いという方もいらっしゃいますので、「選ぶ」・・・・となると「八海山大吟醸ください」「磯自慢ください」「空(クウ)ください」というご注文になります。


八海山、蓬莱泉 空というようなお酒は、実を言うとそういう方のために置いてあるような処もありますし、磯自慢にいたっては常に5種類近いラインアップを用意してあるのです。


そこからこちらの手の内に誘い込むためのモードに入るのですが、それが難しい。


なんといってもお酒というのは嗜好品です。個人の好みが極めて多様なことを考えると、本当は「八海山」といわれたら、四の五の言わずに「八海山」だけを出しておけばいいのですが、「もっと面白いのがあるんですよ」とばかりに色気を出してしまう私の性癖こそを直すことからサービスの第一歩が始まる・・・・とは思っているのですが。なかなかね。お酒の気持ちいいサービスの実現は長い道のりです。