現場の実力


新人が調理場に入って一ヶ月が過ぎました。


調理師学校のお勉強から、仕事、仕事のきつい毎日によくがんばってくれています。


最初の仕事らしい仕事「卵焼き」もやっと「親方ぁぁぁ、すみません、お願いします」と私が手助けをしなくても何とか焼けるようになってきました。


「一ヶ月前の自分がウソみたいでしょ」と、私。
「ハイ。卵焼き焼き始めた頃は、失敗続きで一生上手くならないんじゃないかと思いましたから」
「毎日繰り返しやれば、できない仕事ってほとんどないんだよね。どんなドン臭いやつでも絶対モノになる。要は地道な繰り返しだね」


多分、今調理師学校の研修生がやってきても、この新人の方がはるかに力がついていることに自分で驚くでしょう。現場の力いうのはそういうものです。


この一ヶ月で調理師学校の半年分の能力を身につけたはず、しかも給料付きで。(というのは経営者側の言い分)


修行というのは、まっとうな店に最初に入ることがいかに大事か・・・・というのをこの新人さんが知るのはたぶん十年後でしょう。そうやって地道に地道に一人前になっていくのです。