酒屋さんとのお付き合い


今注目される日本酒の蔵の多くは小さな蔵です。生産量が少なく、まじめに手をかけて造る、当然入手は難しくなります。


十四代しかり、綿屋しかり、田酒しかり。


私ン処は優良な酒屋さん達のご好意で比較的いいものを頂戴できているのですが、一度お客様からいただいてずっと気になっていた島根の「王禄」もラインアップに加えたいお酒のひとつでした。


600石、丁寧な造りと、出荷後の温度管理にも極めて厳しい蔵と聞きます。


同じ県内にこのお酒を取り扱う酒屋さんがあると知り、電話で問い合わせてみましたが、私ン処のすぐ近所にこの酒屋さんが取引をしている居酒屋さんがあって、「王禄」も送っているからということでお付き合いは無理という返事いただいてしまいました。


客筋も客単価もお酒のラインアップも提供の仕方もまるで違う業種の飲食店ですから、この居酒屋さんにご迷惑をかけることはなさそうです。そのことで「王禄」を諦めることもないだろうと、蔵に直接電話をして、取り扱い酒店さんを教えていただけないだろうかと尋ねて見ました。さすがに、ここでは以前の「森伊蔵」のように取り扱い酒店さえ教えてもらえないということはなくて、気持ちよく何店かの酒屋さんを教えてくださいました。さすがに名だたる酒屋さんばかりです。


なかから酒のデパートのような大きな店はあえて避け、大都市ではなく地方都市の店に電話をかけてみました。大都市の種類の多い酒屋さんは、ご主人自信とのお付き合いが希薄になって、思うようなお酒がもらえないことが多いのです。


案の定、最初からご主人とお話ができて、数十分の電話だけでも筋のいい酒屋さんであることがわかります。


伺うと、「王禄」を扱う酒店は全国で18店だけだとか。


というわけで、話を伺っていると他にも面白い酒をたくさんお持ちのようで、熱心な仕事ぶりがひしひしと伝わってきます。


うまくいけば長いお付き合いができるかもしれません。


「王禄」自体も実際に私ン処の料理とその組み合わせを実際に試し、お客様の反応もしっかり見据えてからでなければラインアップに加わるかどうかはわかりません。


果たしてこれからどういう展開になるのか・・・・楽しみです。