ホワイト・アスパラ

clementia2002-04-06



香川産のホワイト・アスパラです。


大きいです。


やっとこの大きさのものが入荷するようになって、献立にも登場しはじめます。


私が子どもの頃、アスパラと言えば缶詰入りののホワイト・アスパラしかなくて、サラダなどにこれが入っていると、子供心にも「なんて美味しくないものだ」と思っていました。そこにグリーン・アスパラが世の中に出回り始め、美味しさにびっくりしたものでした。


今では、グリーン・アスパラでさえ、胡瓜や茄子と同じように季節感のない年中マーケットに並んでいる品物で、グリーン・アスパラをメインにする料理では説得力がないという時代になってしまいました。


ホワイト・アスパラがフランスから入るようになったのが4―5年前くらいだったでしょうか。よほど選んだものでないと美味しさが伝わらないのですが、それでも「これがホントのホワイト・アスパラか」と納得したものです。


さすがにフレンチ・レストランでは、いいホワイト・アスパラを使う料理は様々な料理の仕方があって楽しませてくれるようです。日本料理でも、写真にあるような程度のいいホワイト・アスパラを使わない手はありません。ちょうど、新筍がだいぶ大きくなり始めて、「新筍と若芽の炊き合わせ」が献立にしにくくなる頃です。


さてどうしたものか、淡白な香りのやさしさを大事にしたい食材です。


まずは、今が旬の白魚を白板昆布(薄く紙のようにへいだ真昆布)にきれいに並べ薄塩をあてて軽く蒸します。茹で上げたホワイト・アスパラを食べやすい大きさに切って、蒸しあげた白魚をのせ、銀餡を引きます。木の芽や柚子の香りは邪魔になりそうなのでなし。


昨日は白魚の変わりに、たまたま手に入って地元福田産の大きな蛤を生のまま剥いて、酒を塩で味をつけた餡仕立てにして、茹で上げたホワイト・アスパラにかけてみました。


今日は、鮑が入荷したので、2―3時間かけて蒸した鮑の餡にしてみましょう。


フランス料理のように、バター系のソースや、クリーム系のソースにハーブだけでホワイト・アスパラを食べていただけば、アスパラそのものを楽しんでいただけるのでしょうが、日本料理では出汁で味付けをしてもいい塩梅にはなりそうにありません。


様々な試行錯誤はまだ続きます。


決定打を見つけるのはなかなか難しそうです。