モネ


今でもはっきりおぼえているのですが、モネに初めて出会ったのが25歳のとき、シカゴ”ART INSUTITUTE OF CHIGAGO”の”HAY-STACK”でありました。


その美術館にはスーラの「日曜日の公園」やロートレックの「ムーランルージュ」の大作、ヴァンーゴッホシスレールノアール、マネ等等たくさんの印象派が常設してあって、西海岸でいい美術館に出会えなかった欲求不満を一気に解消するように一週間毎日通いました。


その後、ボストン、ワシントン、フラデルフィア、ニューヨーク、東海岸の各都市で怒涛のように見られた印象派、なかでもモネの作品の数々は忘れられないものばかりです。


「これだけ見りゃ、好きにならざるをえないよな」というほどのモネ。


先週のNHK日曜美術館で見たモネの「睡蓮」は、20年前にみたたくさんのモネの作品をまとめてくれるようないい番組でした。


あの時たくさん出合った「睡蓮」は、オランジェリー美術館の巨大な「睡蓮の部屋」のための習作であったことは聞いてはいたのですが、番組として系統立ててみるとその偉大な所業が私のような素人にもしっかり理解できます。


画家の大作とそれをめぐる数々の習作というのは、同じ年にニューヨーク近代美術館で経験した「20世紀最大のピカソ展」(ゲルニカ里帰りのための)で見た、ゲルニカと膨大な秀作の数々で知ったように、情熱などという言葉ではくくれない執念とでもいうほど迫力がある創作意欲に裏付けられたものであることを、今回のモネの「睡蓮」でも感じることができました。


とは言うものの、肝心のオランジェリー美術館に行ってない、いやフランスに行ってないモネファンは説得力がない。