名演その8 いよっ!大統領!
スーパースターといわれるスポーツ選手は、ワンプレーで観衆を興奮させ、それだけで歴史の残ることさえあります。
昨年のイチローの”レーザービーム”スロー(三塁への矢のような送球)、中田の雨の中でのフリーキック、タイガー・ウッズのワンショット。
皆、試合の結果は覚えていなくてもそのワンプレーだけは記憶にとどめます。
音楽でも同様です。
力のあるプレーヤーはバックアップの演奏者としてレコーディングに参加していても、ほんの何小節かの演奏で、下手をすると主役を食ってしまいそうなかっこいいソロをとったりすることがあります。そういうワンフレーズは何度聞き返してもその場面にいくと「いよっ!大統領!!」と声をかけてしまいたくなるようなぞくぞくする興奮を味あわせてくれます。
たとえば、
スティリー・ダンの名作「エイジャ」でのスティーブ・ガットのドラムスとウエイン・ショーターのサックスソロ。
スティングの「イングリッシュマン イン ニューヨーク」の4ビートのなるところでのブラフォード・マルサリスのソロ。
チャカ・カーンの「チェニジアの夜」でのハービー・ハンコックのシンセサイザー・ソロ。
ハイファイセット「ダイアリー」でのフランク・ロソリーノのトロンボーン・ソロ。
どれも、ジャズ系のプレーヤーばかりになってしまうのは、ただのジャズ好きオヤジの贔屓目かもしれませんが、機会があればその部分だけでも聞いていただけると興奮しますよ。
ワンコーラスのためにCD買いなさいとはお奨めはできませんが、それでも聞いていただきたい名演です。