不況


調理場のスタッフの募集を出していまして、一昨日面接に見えたのは経験20数年、家族もある職人さんでした。


考えていたのは経験1〜3年くらいの若手のつもりでしたので、「この給料でも大丈夫なんですか?」と伺うと、「なんとか大丈夫です」と。


処々の条件が合わなくて採用とはならなかったのですが、ちょっと前ならこの条件では技術をもった職人さんの問い合わせんなど考えられませんでした。


不況の最中、腕に覚えのある職人こそ有利だと言われたのもすでに危なくなってきています。


お付き合いのある花屋さんが自己破産しました。


感性が抜群で勉強熱心、まじめな仕事振りに全幅の信頼をおいていた方です。


年末に正月のお飾りをしてくれるはずだったのが見えなくて、正月になっても連絡が取れないので焦っていたのでした。


まさか年を越せなかったとは・・・・・。


まじめに仕事をしていればとか、優れた技術と感性を持って他との差別化ができればなどという決り文句も、この不況にはかなわないのでしょうか。


「無事年を越せる」というのは昔話のように聞いていたのに、今多くの店にとって切実な現実問題です。


業者への支払いが滞りなくできて、従業員へ給料が無事送れずに払うことができれば今は店としても立派なモンです。


本当に身近なところで起こりつづける不況の嵐は本当に辛く厳しい。