礼装


明日はいとこの結婚式。


年配の方はなにも年も押し詰まったときにしなくてもとおっしゃるし、若い2人にとってはイブの夜の限りなくロマンチックな披露宴になるわけなのですが、おめでたいことであるならばいつだってどんなときだっていいモンです。目出度い目出度い。


久しぶりの身内のお祝い、何を着ていくのかとはたと戸惑いました。


大昔、私の友人たちの結婚式では、身内も友人も上下の黒に白いネクタイ、とりあえずの黒ければ何でもいい靴。ネクタイを黒にすれば葬式に直行できる、誰が考えたのか妙な礼装でありました。当時はそれが当たり前だったけど。


今はもっとバラエティに飛んでいて、男だってファッションに少しは面白みがあります。


それでも、周りから浮いてしまった一人だけのタキシードや、揃いの派手な模様のボウタイとカマーベルトはちょっと辛いし、以前にダブルの黒のスーツが太ってしまってボタンをずらしてシングルで着ているというすごいオジサンを見たこともあります。


先日の取引先の息子さんの結婚式には、チャコールグレーのスーツにグレーのベスト、ワイドカラーの白いシャツにシルバーのドットのタイ、シルクの白いポケットチーフ、ストレートチップの黒の靴で、しゃちほこばらずにほんの少しカジュアル感を持たせておくくらいが、出席者の順列や式の格式からいってもいい感じではないかと選びました。


が、今回は仮にも身内、もう少しフォーマル度が高くなくてはいけないんでしょうね。


多分、黒のシングルジャケットにグレーのベスト、縦縞のコールパンツっていういわゆるディレクター・スーツに黒シルバー白の縞柄のタイ、黒のストレートチップの靴に、ポケットチーフはリネン?(でなくてはいけなかったんだっけ?)


これなら心配なく他様に失礼なく出席できそうな気がします。


本当なら紋付羽織袴さえ持っていれば、冠婚葬祭すべてに使いまわせるのになかなか買えないんだなこれが。


たぶん、今の世間の認識では「祝い事にみんな紋付ってのは相撲取り」くらいのもんでしょう。私などのような体型ならスーツより絶対着物のほうが見栄えがするのに。