お燗


燗酒の注文を頂戴しました。


近頃好感触の「緑川 正宗」をお持ちすると、
「甘いなぁ・・・もっと辛いのないの?」


(えっ?緑川が甘いの?)
とは、おくびにもださずに


「では、この辺のところのお味をみていただけますでしょうか」


久保田 百寿
吉平 三年熟成
群馬泉 山廃純米
を並べてみました。


「俺の舌がどうかしたのかなぁ。どれも甘いけど、まあこれにしとこうかな」
と、群馬泉で妥協していただきました。


(蔵元、杜氏、お気を悪くなさらないでね)


ま、ま、ま、
それはさておき、親戚筋の葬儀の精進落としで、缶入りの燗酒が並んでいるのをみて初めて試してみました。


缶の裏側押してしばらくすると、缶が暖まって燗酒が出来上がるという趣向のあれです。


決してまずくはありませんし、缶なのにすぐには冷めません。


真冬に釣り・・・・なんて方にはたまらない味方でしょう。置かれている状況によっては十分満足できるものです。


が、
味そのものだけを考えたとき、手前味噌ではありますが、私ン処で使わせていただいているお酒の数々ってほんとにいいお酒なのね、と図らずも思い返してしまいました。


こういう蔵元や杜氏さんたちが丹精こめた優れものを使わせていただきながら、有無を言わせてしまうというのは、提供する私の力のなさが原因です。


作り手たちに顔向けできん。申し訳が立ちません。