長谷川きよし 久しぶり


いい映画というのはどこを切り取っても惹きこまれます。


事実、先だってBS2で連続放映されていたフランシス・フォード・コッポラの「ゴッド・ファーザー」のシリーズは、仕事が終わった後、TVをつけたと同時にどの場面からでも目が話せなくてつい最後まで毎日見てしまいました。


音楽も同じです。


長谷川きよし「ACONTECE」(アコンテッシ)1993年録音


どの断片にも長谷川きよしとファビアン・レザ・パネを中心とするグループの創り出すクリエイティブで気持ちのいい音が存在します。


彼らはブームだからといってアコースティックに回帰しなくても、最初からアコースティックで今もずっとアコースティックな音楽を続けています。


TVの番組で久しぶりに見た長谷川きよしが相変わらずのすごいギターテクニックとパワフルな声で歌っているのを見て、初めてCDを買ってみたのです。


昔、彼の「別れのサンバ」が大ヒットしていた頃にはこの手の音楽に全く興味がなくて、テクニックのすごさだけは知っていても熱心に聞くほうではありませんでした。


今、少しは聞く音楽の幅も出てきてあらためて聴いてみると、その音楽は魅力に満ちていました。今流行りの若者の音楽のようにプロデューサーの顔がちらちらしたり、売れるための音作りやキャラクター作りなど必要のない、「音楽が好き」っていう情熱と、その裏づけに音造りの積み上げられた趣味のよさと強力なテクニックがあります。


こういう音楽だけが私の心を動かします。