邦題


掲示板をご覧の方は覚えていらっしゃるかもしれませんが、ちょっと前、映画の邦題の話題がありました。


最近作アンジェリーナ・ジョリーアントニオ・バンデラスの"POISON"(ポワゾン)はいかにも原題のように見えますが実は邦題。原題は"ORIGINAL SIN"(原罪)であります。


最近目にしたある方のコラムで、「最近の外国映画の題名は殆ど原題のままで、何のことやらわからないのがある」という話がありました。「題名を覚えきれず、映画館に飛び込んで、”おや、これは前に見たものだ”ということがしばしばある」・・・と。「近頃の洋画は原題のままだが、かつての邦題のなんと夢とロマンに満ちていたことか。たとえば、「嘆きの天使」THE
BLUE ANGEL 「巴里の屋根の下」SOUS
LES TOITS
DE PARIS 「巴里祭」QUATORZE JUILLET 「荒野の決闘」MY
DARLING CLEMENTINE 「哀愁」WATERLOO
BRIDGE 「風と共に去りぬ」GONE
WITH THE WIND 「ローマの休日」ROMAN
HOLIDAY 「雨に唄えば」SINGIN'
IN THE RAIN 「慕情」LOVE IS A MANY-SPLENDORED
THING」とおっしゃいます。(原題は自分で調べてみました)


並んだ映画は名画中の名画ばかりで邦題しか思い浮かばないほど有名な作品です。原題の直訳も多いのですが、「7月14日」を「巴里祭」とか、「いとしのクレメンタイン」が「荒野の決闘」、「ウオータールー橋」が「哀愁」というのは秀逸と言うべきなのでしょうか、どうでしょう。


私の場合、ずっと以前にアメリカの方とヨタヨタ英語でお話していたときに、前述の「ローマの休日」の原題がわからず、"VACAITION of ROME"とか"HOLIDAY of ROME"とか訳のわからん説明で苦労したことがあって、原題を確認するようになりました。


すると、秀逸といえる邦題というのにはなかなか出会えなくて、苦労の末と言う感じの邦題も多いことがわかります。たとえば、よくある「愛と○○の・・・」というやつなどは典型です。


愛と青春の旅立ち・・・AN OFFICER AND
A GENTLEMAN
愛と喝采の日々・・・・THE TURNING POINT
愛と哀しみの果て・・・OUT OF AFRICA
愛と宿命の泉・・・・・・MANON DE SOURCE


原題には「愛も青春も喝采も哀しみも宿命も」どこにも書いてありません。「愛と・・・」がかえって軽薄な感じを与えてしまうかもしれないとおもうのですが、考えるほうはこの方が一般庶民にはわかりやすい、伝わりやすいと考えているのかもしれません。確かに、「士官と紳士」や「アウト オブ アフリカ」では映画を見ればなるほどとわかるのですが、題名だけをみて映画館に入ろうとは思わないかもしれませんね。


フランス語やドイツ語ではからきしかわりませんし、英語の場合も言葉の後ろに秘められる意味がわかるほど素養があるわけではないのですが、映画ファンとしては作者のオリジナルな思い入れを原題から感じ取りたいと思うのです。


やっぱり題名は映画そのものをあらわす訳ですから。


ほかの国の事情も知ってみたいものです。中国、フランス、ドイツ、スペインではどういう題になってるんでしょう。